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「Publishers」Webマガジンプラットフォームのこれまでとこれから


※この記事は2013年8月当時の内容です。

先日、私たちが運営しているコワーキングスペースSPOT3に弊誌『あしかがのこと。』も採用しているWebマガジンサービス Publishers 中里昇吾さんがいらっしゃいました。そこで思いついたのが「せっかくなので中里さんにインタビューしてもいいですか」。普段はPublishersを使っている人々を紹介している中里さんに逆インタビューです。

 —今日はご来足ありがとうございます。まずは中里さんの経歴を教えてください。
 京都と大阪の県境にある八幡市というところで生まれました。その後は主に神戸で育ちました。ポートアイランドという人工島があるのですがそこが実家です。
就職と同時に東京に出てきて、最初に働いたのは商社です。そこでパソコンや携帯電話の海外輸出なんかをやっていましたが、仕事をするうちに商品開発に興味が湧いてきて、人が身近で使うサービスを開発する側に回りたいと思って、2005年にネット会社(渋谷のサイバーエージェント)に転職しました。それからはずっとネット関連業界で主にメディア系の仕事をしています。
2012年に株式会社THE STORIESを設立して代表をやってます。THE STORIESの初めての自社サービスがPublishersで、システム開発会社の株式会社ビープラウドさんと共同で企画開発しました。
小学生の子どもが2人います。

誰でも簡単に本格的なウェブマガジンが作れる

—Publishersについて教えてください。

Publishersは「誰でも簡単に本格的なウェブマガジンが作れる」というサービスです。
ブログやメルマガを運営するような感覚で、ネット上で簡単にウェブマガジンを発行することができます。
特徴は、いくつかの記事をまとめて「号」単位でウェブ上で発行できること、そして読者登録の機能があって、メルマガのように購読者がいるということです。つまり、定期購読の雑誌をオンラインで発行するような感覚です。

—Publishersをどんな方に使って貰いたいですか。

何かの活動や一定のテーマにもとづいて継続的な情報発信を行い、その活動やテーマに関心を持つ読者コミュニティを丁寧に育てていくような使い方に向いていますので、何かのコミュニティを育てたい方に是非使って頂きたいです。
具体的には、『あしかがのこと。』のような地域メディアの運営を通じて地元コミュニティとの結びつきを強めたり、地域活動やサークル活動をやっている団体の広報誌として活動の輪を広めたり、政治家の方の活動報告誌として市民の方に読んでいただいたり、ファンクラブのファン通信として使っていただいたり、といった使い方があるのかなと思っています。

—Publishersを作ろうと思ったきっかけは?

もともと私はメルマガの発行ポータルサイトの運営に携わっていたことがあって、メルマガの発行者と読者の間に存在する独特なコミュニティにはとても価値があると思っていました。
これは、ブログその他のウェブ上の情報発信が、ただ「発信する」、どちらかといえば「言いたいことを言う」ものなのに対して、メルマガは、特定のテーマに対して関心がある読者に対して情報を「お届けする」というものなので、読者の期待に応えようとする発行者側の努力がやはり記事の内容に現れるんだと思っています。

 丁寧な情報発信を行う

—なるほど、それでPublishersにはコミュニティ機能があるんですね。
言いたいことを言うタイプの情報発信が、ブログからTwitterやFacebookへとどんどん移っていって、ますます断片的で信用のおけないものになっている中、丁寧な情報発信を行うメルマガの価値が見直されているのは、やはりそういうメディアの性質によるものだと思います。

—ソーシャルメディア全盛だからこそ、あえて既存のネットメディアの強みを生かすという考え方でしょうか。
ただ、メルマガはどうしてもメールなので、クローズドで拡散性が無いですし、ビジュアル的にも読みにくい。アーカイブもあまり分かりやすく残らないですし、検索にも殆どひっかかりません。それに読者の反応も非常に分かりにくいです。
そのため、メルマガの発行者の方は、最初は一生懸命書いていても、みな徐々に疲弊していくのですが、せっかく丁寧な情報発信をしている人がもっと楽しく情報発信ができて、努力が報われるものにしたいなあと思っていました。

—プレスリリースを拝見するとNPOサポートセンターさんのお名前が出てきます。
2012年春ごろから、NPOサポートセンターさんとご縁があって、NPO団体の活動を支えるインフラを何か作れないかと一緒に考えていたのですが、その中で、各団体がもっと情報発信をする中で団体の資金支援などにつながるアクティブなサポーターを増やしていくことが必要ではないか、という話しになりました。
そういう情報発信ならメルマガ型の情報発信だけど、よりビジュアルに訴求できて読者の反応がわかり、共有されたり拡散していくものが必要だろうと考える中で、ウェブマガジンの発行サービス、という概念にいきつきました。
ウェブマガジンであれば、メルマガのような情報の「お届け」するスタイルを保ちつつ、情報のアーカイブ性、拡散性、ビジュアル性などを大きく向上させることが出来るので、使い方次第でメディアとしてより大きな影響力を持たせることができると考えています。

—近日追加される機能があったら教えてください。
もっとデザインテンプレートの数を増やしたいと思っています。9月中にはまず数種類追加される予定で、それからもコンスタントに増やしていく予定です。
また、独自ドメインやデザインのカスタマイズができる機能も投入していく他、マガジンを通じて寄付の受け付けができる機能の検討も進めています。

Press your voice, Build your community

 

—今後、Publishersをどのようなサービスにしていきたいですか。
Publishersのサブタイトルは「Press your voice, Build your community」というものなのですが、とにかく多くの方や団体に使っていただける、メディアという形のコミュニティインフラになっていくといいなと思っています。
そのためにも、情報発信というのはやはり簡単なものではなくて、それなりの労力がかかるものでもあるので、より読者が集まってくる仕掛けであったり、発行者の方がそこから売上を作っていくことができる機能を継続的に作っていくことで、情報発信をなるべく長く継続していただけるためのインフラにしていきたいですね。

—今回、Publishersがご縁で足利へ来て頂きました。初めて足利にいらしたとのことですが、駅に降りた時の足利の初印象はいかがでしたか。

『あしかがのこと。』をいつも拝見していたので、渡良瀬川を見たときは「おお、あの風景だ」という感じで、初めて来たのになぜか懐かしかったです(笑)。

—それはそれは(笑)ソーシャルメディアで繋がるからこその不思議な体験ですよね。

駅に降りた時の印象は、「静かだな~」です。東京あたりと違って駅前が中心地ではない、ということは山田さんから聞いてましたが、なるほどこういうことか、と。
殆ど知らなかったのですが、歴史的な建造物も多いみたいですし、東京から特急で1時間で来れたので、これからはもっと気軽に観光で来てみたいです!

—ぜひまた遊びに来てください!

 

「あしかがのこと。」がきっかけとなり、東京でもおなじような地域系Webマガジンが動き出すそうです!

(インタビュー 山田・増子、写真撮影 山田、小野)

 

 


※この記事に掲載されている情報は取材当時(2013/08/22)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。

※見出し、記事、写真の無断転載はご遠慮ください。

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山田 雅俊

特定非営利活動法人コムラボ 代表理事、あしかがのこと。発行責任者。本業はIT屋。システム開発、Web製作、ICTサポートの経験を生かし、地方都市における情報格差に対し企業・NPO法人の両方から取り組む。趣味のカメラで子どもたちを撮るのが楽しみ。

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