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創作和菓子が新しい「御菓子司ふくしまや」

201611/15

イタリア修業帰りの3代目。創作和菓子が新しい「御菓子司ふくしまや」


足利市菅田町にある「御菓子司(おんかしつかさ) ふくしまや」の3代目、福島幸治(ふくしまゆきはる)さんは、京都で開かれた「手のひらの自然 京菓子と琳派展 2015」実作部門にて大賞を受賞しました。福島さんが家業を継ぎ、和菓子職人となったのは今から5年前。「和菓子職人としてはまだまだ駆け出しです」と話す3代目ですが、異色の経歴を持つ福島さんが手がける創作和菓子は、老舗和菓子屋に新たな風を吹き込みます。

創業100年を迎える老舗和菓子屋にならぶ洋菓子

のれんをくぐると、正面には四季折々の大福、地元銘菓のゆで饅頭、お赤飯などが並んでいます。右隣のショーケースには贈答用のお菓子類。パッと見ると和菓子屋ですが、その中に「和カロン」「茶カロン」というマカロンを見つけました。

お品書きは和のテイストですが、マカロンはメレンゲを使った洋菓子です。過去にイタリアで料理や洋菓子の修業を積んだ福島さんが考案した創作和菓子だそうです。

3代目が考案した創作和菓子のならぶショーケース

3代目が考案した創作和菓子のならぶショーケース

寒天とクリームをはさんだマカロン、ふくしまや完全オリジナル商品「和カロン、茶カロン」

修業先でマカロン作りに携わった福島さんは、帰国後、和の食材で「和カロン」「茶カロン」を作り上げました。ウィキペディアによると、マカロンはフランスを代表する洋菓子ですが、イタリアが発祥の地。卵白を固く泡立てたメレンゲに、砂糖とアーモンドプードル等を加えて混ぜ、これをオーブンで直径数センチに焼き上げます。この焼き菓子でクリームやジャム、ガナッシュをはさんだ洋菓子がマカロンです。福島さんがアレンジした和カロン、茶カロンは、クリームの中に寒天が入っているのが特徴。「寒天をクリームの中に入れることで、おもしろい触感となっています」と福島さんは話します。寒天は甘さも控えめにしてくれるそうです。

寒天やクリーム、ピール類もすべて自家製。求めたのはあくまで和菓子

使用する寒天はすべてが自家製です。1番人気のとちおとめには、自家製いちごシロップを寒天で固めています。抹茶は小山園の抹茶を使用し、濃い目の寒天に。きなことゆずのマカロンには寒天を使用せず、きなこには大納言を使った自家製かのこ豆を、ゆずには足利産の柚子を使用した自家製柚子ピールをクリームと合わせているそうです。どれもオススメな和カロンと茶カロンです。「自分が食べたいと思ったものを試してみてください。それぞれ違った食感を楽しんでほしいです」と勧める福島さん。どれも食べてみたくなってしまいました。

和カロン(きなこ・とちおとめ・黒糖・黒ゴマ・ゆず)と茶カロン(アールグレイ・エスプレッソ・ココア・抹茶・ほうじ茶)各150円(税込)通年販売

和カロン(きなこ・とちおとめ・黒糖・黒ゴマ・ゆず)と茶カロン(アールグレイ・エスプレッソ・ココア・抹茶・ほうじ茶)各150円(税込)通年販売

遠回りしたから今がある。和菓子の原点を追い求める3代目

イタリア修業の経験を活かし、いくつもの創作和菓子を作り上げた福島さんですが、「今はやればやるほど小手先に頼ったものではなく、純粋な和菓子こそ奥が深く、難しいと思うようになりました」と話します。家族のことや自分の身の振り方を考え、家業を継ぐと決心した福島さん。遠回りしましたが、今は和菓子の世界に入って本当によかったと思うそうです。伝統的な和菓子を学ぶことが楽しくてしかたないと話す福島さんは、創業100年を迎える伝統の和菓子と、これからの100年につなぐ新たな創作和菓子を、これからも一つ一つ丁寧に、まごごろ込めて作ります。(取材・執筆:新井かおり、デスク:山田雅俊)

伝統の味、季節の味をお届けするふくしまやの皆さん

伝統の味、季節の味をお届けするふくしまやの皆さん

参考サイト:
マカロン – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%B3

御菓子司「ふくしまや」店舗情報

場所御菓子司 ふくしまや
栃木県足利市菅田町109-3
備考住所 〒326-0007 栃木県足利市菅田町109-3
TEL/FAX 0284-41-5559
<営業時間> 9:00〜18:00
<定休日>月曜日
<公式ホームページ>http://www.29shimaya.com/
※四季折々の和菓子は季節により変わります。販売時期はお電話にてご確認ください。
<アクセス>
【北関東自動車道】「足利IC」より車で1分
【JR両毛線】「足利駅」より車で10分
【東武鉄道伊勢崎線】「足利市」駅より車で15分

※この記事に掲載されている情報は取材当時(2016/11/15)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。

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新井かおり

クラウドソーシング活用講座の1期生。ライティングとデザインの講座を受講し、現在も継続して活動中。3人の子の成長を見守りつつ、母は新たな分野にチャレンジです!好きなものはスクラップブッキング、スイミング、シュークリーム~。

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