© あしかがのこと。 All rights reserved.

マダニ

足利にも生息するマダニ。刺されたときの注意点と対策


7月に記者の子どもがマダニに刺されました。どこで刺されたのかははっきりしていませんが、小学校や市街地の公園のみの外出で虫がたくさんいるような場所へ行っていません。子どもが刺されたことをきっかけに足利にもいるマダニについて調べました。

マダニに刺されたらどうなるのか

マダニは体長約0.8mm~1.5cm。春から秋にかけて活動期で、動物の血液を餌とし、寄生します。「マダニに刺されたらマダニ刺咬症しこうしょうとなります。これはマダニが皮膚に吸着して生じる症状です。」こう教えて下さったのは足利市西砂原後町にある、あしかが皮膚科クリニックの川田博史先生です。「マダニはヒトの皮膚表面を這っても蟻走感ぎそうかんがありません。刺されても気付かないことが多く、数日程度の吸血で膨大してその存在に初めて気付くこともあります。皮膚症状としては皮膚が赤くなる場合があります」

マダニを無理に引っ張ってはいけない

マダニの口器には数十個の強い歯が後ろ向きに生え、挿入した口器から接着剤のような物質を出して固定します。少し引っ張る程度では取れず、数時間から一か月以上吸血し続けるものもいて、満腹になると脱落します。
「マダニに刺されたら速やかに皮膚科を受診してください。決して無理やり引っ張らないこと。なぜなら、無理に引っ張った際に口器を残してちぎれてしまい、皮膚の中に残ってしまうからです。また、刺された後二週間程度は体調の変化に注意し、発熱などの症状が出た場合は医療機関を受診してください」と川田先生は話します。

重症化すると危険。マダニ感染症とは

マダニの唾液を介してヒトにウイルスが伝染すると、日本紅斑熱にほんこうはんねつ、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症になります。刺された後1~2週間の潜伏期間を経て嘔吐、発熱、頭痛などの症状が現れ、重症化すると死に至ることもあります。なお、必ずしもすべてのマダニがウイルスを保有しているというわけではないそうです。

マダニは先の細い葉の先端で動物が通るのを待っています

マダニは先の細い葉の先端で動物が通るのを待っています

マダニに刺されないために、私たちができる対策

マダニは飛び跳ねることはなく、細い葉の先端に登り、動物の出す二酸化炭素や体温、振動を感知すると爪をひっかけて乗り移ります。基本は長袖・長ズボン・手袋・長靴などで肌の露出を避けることです。草藪のある場所ではニットなど毛足の長い布地の服は避けましょう。ナイロン製衣類は予防衣になります。「野生の草花や作業着などは屋内に持ち込まないようにし、もし服にマダニが付いた場合はガムテープで取るのも効果的です。マダニ用の虫よけ剤もある程度は有効です」と川田先生はマダニ対策について様々な防護手段と組み合わせて対策を取るよう話してくれました。

参考文献

  • 【ダニ病学―暮らしの中のダニ問題―】 高岡正敏 東海大学出版会
  • 【知られざる動物の世界7クモ・ダニ・サソリのなかま】 青木淳一 朝倉書店
  • 【ダニのはなしⅡ】 江原昭三 技報堂出版株式会社
  • 【サンデー毎日 2013年4月14日号増大号】 毎日新聞社
  • 【マダニ対策、今できること】 国立感染症研究所
あしかが皮膚科クリニック

あしかが皮膚科クリニック

場所あしかが皮膚科クリニック
栃木県足利市西砂原後町1180-3
備考院長 川田博史
電話 0284-64-8612
休診日 水・日・祭日

診療時間
午前9:00~12:00 午後14:30~18:30
土曜午後は14:00~16:00

インターネット診療予約あり
ベビーベッド・キッズコーナーあり
駐車場 33台

※この記事に掲載されている情報は取材当時(2017/08/14)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。

※見出し、記事、写真の無断転載はご遠慮ください。

The following two tabs change content below.
アバター画像

田嶋美歩

足利市出身。15年ほど足利を離れていましたが子供の小学校入学を機に地元にUターン。クラウドソーシング活用講座で、ライティングとデザインの講座を受講した2期生。一男二女の母。保育、幼児教育を得意分野としています。時々たいこを叩いたりもします。

コメントは利用できません。
ロケットパン

足利の学校給食の今。なぜ「ロケットパン」は姿を消したのか

足利で創業100年。親子3代続く稲葉納豆工業所

足利で創業100年。親子3代続く稲葉納豆工業所

保護者と子どもで決める放課後の過ごし方

遊べる場所が無いから作った 保護者と子どもで決める放課後の過ごし方「葉鹿学童クラブ」

旅猫リポート

第31回東京国際映画祭 足利撮影作品『旅猫リポート』取材

足利の学校給食で使われている牛乳パッケージの歴史をたどる

足利の学校給食で使われている牛乳パッケージの歴史をたどる

ページ上部へ戻る