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「ひととき」を、家族と共有する「アピタ子ども図書館」の工作教室

20182/20

「ひととき」を、家族と共有する「アピタ子ども図書館」の工作教室


1985年、アピタ足利店オープンと同時に、企業の社会貢献活動の一環として開館した、アピタ子ども図書館。赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い層に利用されています。20坪弱のスペースに蔵書が約20,000冊。独自企画のイベントも開催されており、なかでも工作教室は「遊びの延長線上で本と出会ってほしい」という思いで、オープン当初から続いてきたものの一つ、と話す、館長の吉田喜美子よしだきみこさん。開館当時からずっと図書館を見守ってきました。

本に囲まれて、家族に見守られながら

工作教室には、主に土曜日に行われる毎月1回のものと、夏休み中などの季節ならではのものがあり、希望者は事前に図書館へ申し込みをします。
図書館の一角で、本棚に囲まれたテーブルを囲み、わからないところをスタッフに質問しながら、子供たちそれぞれが手を動かしていました。すぐそばで保護者が見守り、時に手を貸します。参加者の多くは、入園前の小さな子から、小学生くらいまで。プログラムによっては、乳児のお母さんが申し込むことも。気に入ったものだけ参加する子がいる一方、リピーターになり、毎月楽しみにしている子も多いといいます。

工作教室の様子。親子で、ゆっくり会話しながら楽しそう。お父さんの姿も。

工作教室の様子。親子で、ゆっくり会話しながら楽しそう。お父さんの姿も。

できることから徐々に。「過程」を楽しんでほしい

「工作教室は、他でもあちこちでやっているんですよね。」と、吉田さん。「ここの工作教室で心がけていることは、初心者も楽しめること。手ごろで、身近なものを使って作れること。そして、親子の絆づくりのお手伝いかしら。」と話します。事前に、スタッフが材料を簡単に作れる状態まで準備してくれているのは、小さな子供にも、作る過程をひとつでも楽しんでほしいから。「子供ができるようになるまで待っていると、体験の機会を逃してしまうことも。気になったら気軽に参加してみては。」とのこと。ぜひ、「親子で」参加し、一緒に体験を共有してほしいと言います。

「かもちゃんの工作教室」から「わくわく工作」へ

10年以上続いた「かもちゃんの工作教室」が2017年一杯で終了。もともと一般のお母さんであり、ボランティアとして工作教室をゼロから始めた「かもちゃん」。紙を中心とした作品で、かわいらしさ・季節感があり、子供にも大人にも人気でしたが、独立をきっかけに毎月の工作から卒業しました。
2018年からは、図書館情報紙やチラシの挿絵も描いている、図書館に入って10年のスタッフ、飯塚絵里いいづかえりさんが「わくわく工作」として教えています。紙の材料にとらわれず、実用的でかわいらしい工作は大人気。見本を展示すると、参加者募集開始から1週間で予約が埋まることもあるそうです。

「わくわく工作」一例。紙の材料だけにとどまらず、より実用的な作品に。

「わくわく工作」一例。紙の材料だけにとどまらず、より実用的な作品に。

子ども図書館の変わらない願い

30年以上の歴史をもつアピタ子ども図書館。スタッフが利用者をよく覚えていて、声をかけ、時には本選びもしてくれます。かつての利用者が親となって、再び子供を連れてくるようにもなりました。「その時々に出会いがあり、成長して、やがて巣立っていく。」図書館もそうやって循環してきた、と吉田さんは言います。当初から変わらないものは、図書館の存在意義。「一緒に来る家族との絆づくり」、そして「本との出会いの一助」。
かつては全国に10館あったアピタの図書館は、今は足利、愛知県の高蔵寺の2館のみになったとのこと。「ずっと続けさせてもらえること、利用者が来てくれることがありがたい。」吉田さんは、そう話していました。

(取材記事執筆:松村敬子、デスク:山田雅俊、校正:茂木諭子)

図書館館長の吉田喜美子さん(右)、スタッフの飯塚絵里さん(左)

図書館館長の吉田喜美子さん(右)、スタッフの飯塚絵里さん(左)

場所アピタ子ども図書館
栃木県足利市朝倉町245 アピタ足利レストラン館3階
備考電話:0284-72-8811(代表)

平日(月~金)午後1時から午後5時
学校休みの日(土日・祝・長期休暇中)午前11時~午後5時
休館日:アピタ足利店の店休日

利用料:初回のみ登録料500円(平成30年1月現在)。本を持ち運べるバッグつき。年会費は無料。
工作教室は事前予約制・費用負担あり。

館長:吉田喜美子(よしだきみこ)

※この記事に掲載されている情報は取材当時(2018/02/20)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。

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