© あしかがのこと。 All rights reserved.

足利市民プラザ演劇祭2013 村松永弓さんインタビュー


今年の「足利市民プラザ演劇祭2013」では、8月11日の公演を皮切りに、10月13日まで5つの劇団による公演が開催されます。これに先立ち、「あしかがのこと。」ではこれから数回に渡って、足利市内のアマチュア劇団を取材してまいります。

まずは足利市民プラザ演劇祭に参加し『アパートメント』を上演する劇団PPP45°の座長、村松永弓さんにお話を伺いました。

2c304f9e6fdf407099239a370b91ec41

PPP45°』ってどんな劇団ですか?

村松さん(以下敬称略): このPPP45°になる前に「演劇大学スーパーユニット」というユニットを演劇大学(足利市民プラザの演劇講座)の卒業生達で作ってやっていたんですね。それを5年間続けてみて、本当に沢山のお客さんに来てもらえるようになって、それをサポートしてくれる人達も沢山増えたんですけど、やっぱり作品がどうしても固定してきてしまう面がありました。その結果色々と慣れも出てきてしまったり、毎回同じような仕上がりになってしまいました。いろいろと考えた結果、新しい劇団をつくって色んなことに挑戦したいと思ったので、演劇大学スーパーユニットを解散して、昨年PPP45°という劇団をつくりました。

今回の作品は、「演劇大学スーパーユニット」時代にやっていたものとは少し趣が違うようですが?

村松: はい、PPP45°になったときにみんなから出た意見のひとつは色んな舞台をやりたい、色んな作品をやってみたい、色んなことに果敢に挑戦してみたい、ということでした。去年は『8人の女たち』というフランスの翻訳劇をやらせていただいて、女たちだけのドロドロした作品をやったんです。今年はもっとちっちゃいホールで、お客さんを身近に感じて芝居というものを追求してみたくて。それでオムニバスで短い作品を3本やってみようということになりました。

3本とも各々演出の方が異なっているのですね。

村松: 一人が演出しても良かったんですけど、作品が持っているカラーとか個性とかに当てはまる人が演出したほうが良いんじゃないかと思って、今回は3本とも変えました。特に3本目の『ポン助先生』に限っては、『土佐源氏』という作品を長年やられている坂本長利氏と知り合うことができましたので、それを通じて坂本さんに演出をしていただくことになりました。

坂本長利さんは、どのような方ですか?

村松: プロの俳優さんです。テレビでは『Dr.コトー診療所』『北の国から』『坂の上の雲』などに出演されていて、映画では今年9月公開の『ハーメルン』で主演をなさってます。

村松さんご自身は、制作をやりながら演出も役者も、更に作家もなさってますね。それぞれに醍醐味がありそうですが、その違いはどんなものですか?

村松: 全然違いますね。制作面で言えば、私はプロデュース公演が好きで、色んな人たちと芝居をしたり、色んな人たちをくっつけるのが好きで、夏の公演だけでなく冬に芝居をやったりしているんです。醍醐味といえば本番を観た時が一番ですし、公演が終った後、本当にやって良かったなと思える中身だったらプロデュースした甲斐がありますね。

演出については、学んだわけではないので全部手探りではあるんですけど、自分が客席で観ていたらこう感じるだろうなとか、こう感じたいなとか、そういうふうに役者さんたちと言葉のキャッチボールしながら役者さんが変わっていったりするのが面白いですね。

役者は、そうですね、なかなかまだ慣れないですね(笑)。やっぱり緊張するし、ただ自分で作品を書くようになってから、台本の読み方とか役者としてセリフを大事にするということに関しては、すごく変わりました。書いている人がどんな思いでこの言葉を選んだのかとか、言葉の大事さを知ろうとする姿勢というか。そういうところはすごく変わりましたね。

今回のオムニバス公演について一言いただけますか?

村松: これ3つともテーマ、メッセージがバラバラなんですね。『アパートメント』ってタイトルなんですけど、アパートという場所には色んなご家族が住んでいるじゃないですか。それぞれの家族の形があって、十人十色じゃないですけど、「当てはまるべき形」というのはどこにもないですよね。3本とも全く違うので、ひとつひとつ同じ箱の中、同じ形をしたアパートの中で行われる人と人との関わりみたいな、そういう人間模様を楽しんで貰えたらと思うんです。

ところで、村松さんにとって演劇とは何でしょうか?

村松: それは難しいですねー(笑)。何だろうなー。人を創りだす力かな。とにかく演劇とは人だと思うんですよ。ほんとに演劇ほど、色んな人がいないとできないものはないと思いますね。という意味で、人じゃないかなあと思うんです。

(聞き手/「あしかがのこと。」編集員:岩澤)

足利市民プラザ演劇祭2013

劇団PPP45°『アパートメント』

1.『魔女の夜』作:蓬菜竜太/演出:出野佳代子

2.『夏の訪問者』作・演出:村松永弓

3.『ポン助先生』作:マキノノゾミ/演出:坂本長利

  • 8月17日19:00開演
  • 8月18日14:00開演

足利市民プラザ小ホール


※この記事に掲載されている情報は取材当時(2013/08/08)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。

※見出し、記事、写真の無断転載はご遠慮ください。

The following two tabs change content below.
アバター画像

コムラボ

特定非営利活動法人コムラボは、「地域の新しい『やりたい・かなえたい』を共創する」をミッションに掲げ、栃木県足利市を拠点に地域の情報技術を支援する非営利団体です。地域Webメディア「あしかがのこと。」、カフェ&シェアオフィス「マチノテ」を運営しています。

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ロケットパン

足利の学校給食の今。なぜ「ロケットパン」は姿を消したのか

足利で創業100年。親子3代続く稲葉納豆工業所

足利で創業100年。親子3代続く稲葉納豆工業所

保護者と子どもで決める放課後の過ごし方

遊べる場所が無いから作った 保護者と子どもで決める放課後の過ごし方「葉鹿学童クラブ」

旅猫リポート

第31回東京国際映画祭 足利撮影作品『旅猫リポート』取材

足利の学校給食で使われている牛乳パッケージの歴史をたどる

足利の学校給食で使われている牛乳パッケージの歴史をたどる

ページ上部へ戻る