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20146/5

藤生商店(ポテト入り焼きそば)


(編集部注:2015年2月末、閉店しました)

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人はなぜご当地グルメに惹かれるのか。

物珍しさや、純粋な美味しさ、流行りなど人によって意見は様々でしょう。私の思うところは、「その地方に、よりお近づきになれるから」です。

宇都宮餃子を食べると宇都宮、きりたんぽを食べると秋田県、やせうまを食べると大分県のことが少し分かったような気がしてきます。そんな感覚を得られるのもご当地グルメの魅力の一つではないでしょうか。 

そうしたわけで、移民ライター曽根田は「ご当地グルメ」や「昔ながらの」といったお店に惹かれるのです。

足利には言わずと知れたご当地グルメの「ポテト焼きそば」があります。その中でも銘店と呼ばれるお店が、本日ご紹介する「藤生商店」、まさに二度美味しいお店です。

福寿大橋の近くの民家の曲がり角に、そのお店はあります。看板やのれんはないので、初めての方はよく道に迷うそうです。現在は「月星ソース 焼きそば」と書かれたのぼりが立っているので、これを目印に向かってください。お店の近くまで行くと、お店を一人できりもりするおばあちゃんがひょっこり顔を出してお出迎えしてくれます。

藤生商店は、過去4度もテレビに取り上げられたことをきっかけに、ここの焼きそばを目当てに関東全域からお客さんがくる程の人気で、隣県の群馬県高崎市から毎週のように通う常連さんもいるという、コアファンの心を捉えて離さないお店です。
お店に着くや否や、おばあちゃんが"焼きそばの仕様”を聞いてくれます。お好みに合わせて作ってくれるのが、藤生商店の特徴。キャベツやきそば250円を基本として、トッピングお肉50円、トッピングポテト50円、目玉焼き40円、肉の煮汁無料を追加できます。

肉の煮汁は味の決め手となるので、なかなか侮れません。私が選んだのは、全トッピングの煮汁3杯。

とてもお話上手なおばあちゃん、調理の手を動かしながらいろんな話をしてくれました。おばあちゃんが始めたこのお店は、なんと来年で半世紀を迎えるそうです。今ではご近所に民家がたくさんありますが、創業当初は畑ばかりで、旦那さんからはなぜこんな所にお店を作るんだと言われたと懐かしそうに振り返っていました。おばあちゃんの御年が気になりますが、そちらはもう数えていないそう。
藤生商店の名の通り、実は焼きそばの専門店ではなく、駄菓子売り場も併設されている商店なのです。取材時の短い時間でしたが、小学生から高校生まで数組が訪れていました。

過去には、店先にはカプセルトイの販売機がずらりと並び、店内のインベーダーゲームには深夜の閉店までお客さんでごった返していた時代もあったそうです。その他にも、仕事観や恋愛観についての含蓄に富んだお話もきくことができました。

 

できたてアツアツの焼きそばをパシャリと写したのが、1枚目の写真。これが390円、十分おなかいっぱいになります。足利市内の製麺所から届けられる"ちぢれ中太麺”は、炒める際にお出汁でよくほぐされており、茹でたポテトとの絶妙な歯ごたえを楽しめます。トッピングのお肉は甘じょっぱい味付けと歯ごたえで、焼きそばの中での存在感を示しています。このトッピング肉は毎朝おばあちゃんが仕込んでおり、このお店は年中無休で営業しているということなので、おばあちゃんの仕事に対する熱には本当に頭が下がります。基本の味付けは足利市が誇る月星ソースですが、さらにこのソースにお出汁とトッピング肉の煮汁が合わさり、麺に光沢を生み出す特製ソースに変化しています。麺を口に運んだ時の、口内に絡む食感がなんともいえない至福の時間を与えてくれました。

おばあちゃんの話と、ポテトやきそばで益々足利市にお近づきになれたように感じた取材日でした。

藤生商店

 【営業時間】平日ランチ/11:00~17:00(冬季) 11:00~17:30(夏季)

【定休日】元日と 1月2日 のみ

【住所】栃木県足利市寿町17-11
【電話】0284-41-1687

 


※この記事に掲載されている情報は取材当時(2014/06/05)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。

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soneda

soneda

足利歴6年目突入の九州男児。 足利在住のきっかけは、追い求めた職種がそこにあったから。 都会にも近い程よい田舎加減が気に入っています。 今年は30の大台に突入したので、変化の年にしたい!

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