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もう一つの甲子園!足利工業高校が初出場「写真甲子園2017」
足利市西宮町にある栃木県立足利工業高等学校は7月25日から28日、北海道を舞台に行われた写真甲子園2017「全国高等学校写真選手権」本戦大会に初出場しました。
今回で24回目となる写真甲子園は3人1組のチームを組んだ高校生が撮影を行います。複数の写真で1つの作品となる「組写真」を考え、審査員を前にプレゼンテーションして勝敗を争うフォトコンテスト。本戦では「自然」「くらし」「ひと」をテーマに、3回のステージ審査が行われます。全国から526校の応募があり、各地で選出された代表18校が出場しました。
北海道の大自然の下での4日間
自らのことを「真面目なチーム」と話すのは、産業デザイン研究部内で写真班に所属し、今回の写真甲子園出場でキャプテンを務めた3年生の清水羅良さん。「真面目」と聞いて笑顔でうなずき納得するのは顧問の小松祥宗教諭。今回はお二人に話を伺いました。
写真甲子園を通して北海道のたくさん場所へ行き、さまざまな人に出会い、学び得るものが多かったという4日間。「自然がテーマだったファーストステージは、上富良野、美瑛の自然を感じられる写真を真面目に撮りました」と清水さん。だからといって単調な写真にならないように、構図を工夫していかに面白く映せるかが難しかったそうです。
人と出会い、レンズを通して、その人の暮らしが見えてくる
「カメラを意識しない自然な瞬間を撮りたい。大事な瞬間をいかにして撮るかをいつも心がけています」と清水さんは話します。初対面の人との撮影は、お互いの緊張感から距離ができてしまい、あとで写真を見ると相手が困っているのが分かる写真もありました。実際「くらし」がテーマであるセカンドステージの作品の中には「これから撮ります」という撮影者と被写体のやりとりが写真を見る側に伝わってしまうものもあり、審査員から指摘を受けました。しかしこの指摘が、ファイナルステージに向けて改善するきっかけにもなったのだそうです。
「写真甲子園に出たい!」強い気持ちのあった3人のチームワーク
2年生2人を率いるキャプテンとしても悩みどころがあったという清水さんは「撮影する構図や役割を3人で分担するので、組写真はチームワークが重要」と話します。午前中の撮影が終わったら、3人それぞれが移動中に他の2人がどんな写真を撮ったかをある程度頭に入れておかないとならないそうです。移動後はすぐにプレゼンテーションの内容を考え、8枚の写真を組まなければならず時間的に余裕がない。最終的にうまく写真を組むためには欲しいところに欲しい写真がない、ということにならないよう幅広く写真を撮っておくことが求められるのだそうです。
自信につながったのは「自分たちの写真」を撮れたこと
「生徒たちに伝えていきたい一番大切なことは写真の基礎、基本。あとが続かなくなってしまうから奇抜なことは要求していない」と話すのは小松先生。生徒たち3人が撮った写真は決して悪くないし致命的なミスもなかったそうですが、基本に忠実をモットーに取り組んだ結果、面白さに欠けてしまうと審査で指摘されてしまったのだとか。
清水さんは、「自分たちが一番良い写真を撮っていたという自信があったから、上位入賞できなかったのは悔しい。今後は見た人に考えさせるような写真を撮れるようになりたい」と、写真甲子園が終わっても冷めることのない熱い思いを話してくれました。(公開審査会提出作品はこちらからご覧いただけます)
場所 | 栃木県立足利工業高等学校 栃木県足利市西宮町2908-1 |
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備考 | ホームページ http://www.tochigi-edu.ed.jp/ashikagakogyo/nc2/ |
※この記事に掲載されている情報は取材当時(2017/08/29)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。
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田嶋美歩
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