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物を大切にする心を育てる制服の再利用「制服リサイクルバンク」
東武鉄道伊勢崎線足利市駅近く、「制服リサイクルバンク」を22年運営するのは、地元主婦らによる消費者団体「足利市くらしの会」。卒業や成長などで着られなくなった市内の中学・高校の制服等を譲り受け、市内の中学・高校に通学している希望者に100~1,000円程度で譲っている。「制服リサイクルバンク」について「足利市くらしの会」会長の中島功枝さんと前会長の浅沼和子さんにお話を聞いた。
消費者モニター講座の受講生から始まった「足利市くらしの会」
「足利市くらしの会」は足利市消費生活センターの消費者モニター講座の受講生が中心となり昭和47年に設立した、主に消費者問題に取り組む団体。「制服リサイクルバンク」を始めた経緯は、運営主体の消費者団体「足利市くらしの会(会員数は平成29年度時点で約100人)」が平成7年9月に、市民500人を対象に「ゴミに対する消費者行動の実態調査」を行った事による。「ゴミの中に衣類が多く捨てられていて、もったいないなと思った。」と中島さん。
ゴミに捨てられたもったいない制服をなんとかしたい
平成8年5月に足利市役所の市民ホールで、市民400人を対象にリサイクルバンクに対するアンケートを取った。結果は、あれば利用したいという回答が多く、同11月に東部クリーンセンター会議室に仮オープン。平成9年7月に足利市消費生活センターのバックアップの元、現在の場所に常設オープンとなる。中島さんは「衣類全体のリサイクルを行うのは大変です。でも、制服はしっかり作られているのでリサイクルできます。」と話す。
ボランティアで運営されている「制服リサイクルバンク」
「制服リサイクルバンク」では、市内の公立および私立中学・高校の制服、運動着、柔道着、剣道着、ワイシャツ、ブラウス、コート、カバン等(近隣市の制服も若干あり)を1,600点ほど展示している。開設時から平成29年3月末までに制服等の提供が累計24,205点、利用が19,614点あった。「足利市くらしの会」の会員がボランティアで午前2人、午後2人で制服等を「譲る人」から「譲って欲しい人」に橋渡ししている。
市民に理解され、浸透する物を大切にする心
「制服リサイクルバンク」は平成21年度「地域づくり総務大臣表彰」(現在はふるさとづくり大賞)を受賞。「制服リサイクルバンク」事業を県内で初めて立ち上げ、物を大切にする精神を市内全域に広め、市民一体の循環型まちづくりにつながる活動の意義が認められた。
「提供して下さる方も利用して下さる方も、私達の『物を大切にしたい』という趣旨を理解して下さります。こうした理解が市民の中に浸透している事を私達はうれしいと思います。」と中島さんは笑顔で語っていた。
(取材記事執筆:三田智子、デスク:山田雅俊、校正:茂木諭子)
場所 | 制服リサイクルバンク 栃木県足利市南町4254番地1 ニューミヤコホテル1階 北口 |
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備考 | 電話: 0284-73-4411 開設日時: 毎週月曜日から金曜日(土曜・日曜・祝祭日・年末年始を除く) 午前10時から午後4時 (12月から2月は午前10時から午後3時30分) |
※この記事に掲載されている情報は取材当時(2018/03/06)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。
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