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映画「ハローグッバイ」菊地健雄監督インタビュー Part2
足利出身の菊地健雄監督作品「ハローグッバイ』が、7月より上映がスタートし、9月9日から足利市大月町にある映画館「ユナイテッド・シネマ アシコタウンあしかが」で公開されます。この作品は、足利出身である菊地健雄監督の長編監督第2作目。公開に先駆け、菊地監督にインタビューしました。この記事はインタビューパート2です。(パート1はこちら)
インタビューワー あしかがのこと。記者 早川雅裕(以下、早川):前作「ディアーディアー』の主人公は3人。今回の「ハローグッバイ」も3人。何かこだわりがあるのでしょうか
菊地健雄監督(以下敬称略):たまたまです。こだわりは特にありません。「ハローグッバイ」の主人公はもともと2人でした。でも、2人だけだと、学校でのことに終始してしまうので、おばあさんが入ってきたのです。「ふたり」を描くときに、対立や葛藤に「もうひとり」がいると、人間関係が立体的になる。2人だと、平行線のままあんまり展開しなかったりします、プラスワン、もう1人入ることで、平行線が近づいたり、離れたりが、描きやすいのです。
早川:9月から監督の出身地足利市でも公開されます
菊地:足利の皆さんに映画を観ていただくきっかけになればいいなと思っています。足利市は「映像のまちづくり」ということで、ロケ誘致などに力を入れています。それはそれでありがたいことですが、せっかくなので、映画館で映画を観るということも盛り上がればいいなと思います。地方に行けば行くほど、映画館でなくネット配信やDVDで観る方が多いけれど、映画館で観ることが増えると嬉しいですね。
早川:以前、菊地監督から映画館で映画を見るよさ、というのを教えていただいて、意識して映画館で見ると、なるほどな、と思いました。
菊地:大きな音、大きな画面全てが、家とは違う。なにより、お金を払って、2時間集中することも重要です。映画館は一時停止も巻き戻しもできません。たかだか2時間ですが、2時間没頭できることは、普段の生活の中では少なくなっているのではないでしょうか。昔に比べて、(映画館で映画を見る人が)数が減ってきているような感触はあるので、映画館で見ることを盛り上げていきたいですね。
早川:「映像のまち」ということで、何億円効果があると言われるが、そうじゃないところがいっぱいある。効果だけじゃない。ただ誘致すればいいのではないと思います。
菊地:映画は産業です。自分が生活していくための職業なので、きれいごとばかりは言えません。撮影にしろ、興行にしろ、何にしろ、お金が動きます。否定はできません。大事なことですね。だからこそ、撮影にしろ、観に行くにしろ、努力が必要なのかなとも思います。じゃあ、なんで映画をやってるんだっていわれたら、それは映画が好きだからです。もっと映画が好きになってくれる人が増えたらいいと思います。きっかけはなんでもいい。撮影に参加したりして、好きになってくれてもいいし、自分みたいに、色んな映画を観ていく中で、自分の生活とは切り離せないものに、気づけばなっていた、でもいいし。とにかく、映画が好きっていう人が、増えたらいいですね。ドラマやCMもありますが、映画で育ってきた自分としては、特に映画を好きになってほしいです。
早川:映画「ハローグッバイ』で1番観てほしいところは?
菊地:1番はこの主人公2人をみてほしい。80分くらいの作品の中で、彼女たちが色々変化している。シナリオの中でそうなっているのもありますが、短期間の撮影だったにも関わらず、この年代の子たちは、たかだか一ヶ月の間で、すごく成長している。僕が心掛けた事のひとつで、この時期でしか撮れない彼女たちのある種のドキュメントとして見せられたらいいなとも考えていました。
ひとつのお話として見て欲しいけど、この時期の2人が刻まれていると思うので、そういう視点で見てもらっても、楽しめると思います。
早川:ドキュメントというのがすごくわかります。そこがこの映画ですごく心に刺さった部分。今のテレビにはない、成長していく過程がわかるものでした。化学変化で人が変わるとか、ドキュメントですね。
菊地:2人もそうなんですけど、2人を助けてくれるベテランのみなさんにも、化学変化が起こることで、何か起こるといいなと思いながら取り組んでいたので、結果、そこが少しうまくいったかなと思います。
早川:2人からも変わったというお話などありましたか?
菊地:なかなか、成長したいなとは思っていても、自分の成長は気づかないものだと思います。でも、ちょっと意識がかわったのかなと思います。僕自身が付き合っている中で、変わったというか、より魅力的になりましたね。そのへんは、監督冥利に尽きますね。
早川:Twitterとか見ていると、2人とも、この映画すごく好きなんだろうな、楽しかったんだろうなと見受けられます。2人とも、思い入れがある作品だろうなと思う。それがすごく感じられる映画ですね。
菊地:見ていただいた方が、そう思っていただけたなら、嬉しいことです。ありがたいですね。
早川:だからこそ、これは色んな人に観にいって欲しい。これは、ほんとに、観た人が色んな心で感じられる映画だと思います。
菊地:一見、女子高生2人の話と見えて、もたいさんが入ることで、いろんな世代の人が観ても楽しめるんじゃないかと、そのあたりも、ぜひ、注目して見ていただけたいですね。
もちろん若い人にも見て欲しい。ぼくらから上の世代は映画を見ている世代で、その世代には、ちゃんといいものを作れば、見てもらえる。「ディアーディアー』の時に思ったのは、むしろ若い世代に見てもらうことが難しいということでした。しかし、先日女子高生だけの試写会をやらせていただいたのですが、今の高校生、が持っている悩みみたいなものがそこにはあって、演じているのも、まさにそういう時期を過ごしているリアルな、等身大の子たちが出てくる映画なのです。特に若い人に見てもらいたい。是非若い人に劇場に来てほしいというのがあります。
早川:今、劇場に来るきっかけは、自分が好きなアイドルだったり、気になる人だったり、ですね。
菊地:きっかけはそれでもいいんです。それで来ていただいて、映画っておもしろいかもって、ちゃんと残せるような作品にすることが重要ですね。これをみたから、すぐさま、毎週映画を見に通うってことにならないとは思います。好きなアイドルが出てる、がきっかけでもいいから、とにかく、ちょっとずつでいいので劇場に来て欲しい。一過性のものではなく、「映画館で映画を見るのって楽しいよね」って思ってもらえるような作品を今後も作りたいと思っています。
場所 | ユナイテッド・シネマ アシコタウンあしかが 栃木県足利市大月町3−2 |
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備考 | 渋谷ユーロスペース他全国順次公開 公式サイト 出演: 萩原みのり 久保田紗友 渡辺シュンスケ 渡辺真起子 小笠原海(超特急) 岡本夏美 松永ミチル 望月瑠菜 桐生コウジ 池田良 川瀬陽太 / 木野花 もたいまさこ 日本映画スプラッシュ部門公式出展作品 監督:菊地健雄|脚本:加藤綾子|音楽・主題曲:渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz) 企画・プロデュース:内田わか|プロデューサー:平林勉 撮影:佐々木靖之|照明:山本浩資|録音:高田伸也|美術:安藤真人|装飾:龍田哲児| スタイリスト:阪上秀平|ヘアメイク:有路涼子|助監督:張元香織|制作担当:熊谷悠|編集:山崎梓 製作:Sony Music Artists Inc.|配給:アンプラグド |
※この記事に掲載されている情報は取材当時(2017/09/07)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。
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早川 雅裕
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